■イースター■ (AngelSyndrome純愛ルート後、副読本純愛+後) 珍しくアプサラスが教室にいない。 いつも遅刻なんてしないのに。 授業が始まっても全然来ないし、結局そのまま、放課後になってしまう。 不思議に思っていると、俺のもとへとサリエルがやってきた。 「あいかわらず欲求不満そうなツラしてんな」 「あいかわらず最低だな」 さらりとかわしてみせるけれど、間違ってもいないからなおさらむかつく。 「王子がいなくて気になってんだろ。教えてやろうか」 「教えてくれんの?」 「ああ。あいつは今、変態をこじらせて発情中だ」 「聞いた俺がバカだった」 とっととアプサラスの部屋に行こう。 そう思ったけれど、サリエルは俺の腕をつかんで引き留める。 「まあ待てって。お前だってある程度わかってんだろ。あいつがおかしいやつだって」 「サリエルほどじゃないけどな」 悔しいけれど、すべてを否定することは出来ない。 「あいつが飼ってる変な魔物、覚えてるか?」 「ボティスのこと?」 蛇のような形状の生き物で、オスかメスかはよくわからない。 卵を産むからメスなのかもしれないけれど、オスのような生殖器も持ち合わせている。 「ほとんどいつでも発情してんだろ? 王子が相手を探しまくってたくらいに」 アプサラスはボティスを人型にして、いろんな生徒に相手をさせていた。 俺は一応、断ったけど。 「それとアプサラスが休みなのと、なにか関係あんの? もしかして、相手してる……とか」 「まあ相手はしてるだろうけど、それは日常だろ」 「日常かよ」 「お前と付き合いだしてボティスとヤらなくなったとでも思ってた?」 「……思ってねぇけど」 俺だってオナニーくらいするし、ヤることがアプサラスなりのボティスのかわいがり方だっていうんなら、別に気にしない。 ……少し気になるけれど。 「魔物に嫉妬すんなって」 「してねぇし。それで、結局なにが言いたいんだ?」 「ああ、そのボティスの卵なんだけど。あいつ無駄にずっと取ってるから、食っちまえよって昨日勧めちまった」 「は……? 食うって……」 「いや、お前だって鳥の卵とか食ったことあんだろ」 「それは……あるけど」 生まれる予定のない卵なら、食べてもいいのかもしれない。 「でもアプサラス、卵大事にしてたのに」 「食べることも一種の弔いだって教えてやったからな」 アプサラスは素直だから、サリエルの言葉を鵜呑みにしてしまったようだ。 一応、間違っていないのかもしれないけれど。 「もしかして……それでアプサラス、お腹壊したのか!?」 「ちげぇって。変態こじらせて発情中だっつったろ。年中発情しまくりの魔物の卵だからな。食ってすげぇことになってるに違いねぇ」 サリエルはすごく楽しそうに俺を見てニヤニヤしていた。 「ゼルク、どうせ王子が奥手すぎて溜まってんだろ。いまなら会うだけでソッコー、襲ってもらえるんじゃねぇ?」 「下品なこと言うなよな」 「久しぶりのセックスが発情しまくりの変態王子じゃ結構大変か」 「うるさい」 「やりすぎて体壊しても俺が治してやるから、安心しろ」 「もういい。行くからなっ」 サリエルに言い捨てて教室をあとにする。 なんかむかつくし、サリエルの言葉を全部そのまま信じるわけじゃないけれど、もしかしたら本当なのかもしれなくて。 考えるだけでドキドキしてしまう。 あのアプサラスが発情しているだなんて。 ストイックで、会っても触れるくらいのキスだけで満足してくれるような人なのに。 いつもは俺の方が足りなくて、欲しくなるくらいなのに。 まあいつもって言っても、まだ1回しかしたことないけど。 そろそろまたしてくれないかなんて思っていたところだ。 それをサリエルに見透かされているのはやっぱりむかつくけれど。 どっちにしろ、アプサラスのことは心配だ。 俺はすぐ、アプサラスの部屋へと向かった。 「アプサラス? いる?」 部屋のドアをノックして、外から声をかける。 「……ゼルク?」 ドア越しにアプサラスが返事をしてくれて、少しほっとしたけれど、ドアは閉まったまま。 「今日、珍しく休んだだろ? その……大丈夫?」 「うん、大丈夫。心配かけちゃったね。ごめん」 いつものアプサラスだと思う。 けれど、やっぱりドアは閉まったまま、開くことはなかった。 「体調悪いの?」 「悪くないよ。でも……君とはちょっと、もうしばらく会えそうにないかも」 理由はサリエルが言っていたように発情しているから……だろうか。 もしそうだとしたら、俺は付き合っているんだし、会ってもいいと思う。 「アプサラス……その……どうして会えないか、教えてくれる?」 「……そうだね。ただ会えないなんて言われても、ゼルクも困るよね」 ガチャリと鍵の開く音が響く。 「ゼルク、少し離れるから、ゆっくり開いて入ってきて」 「……うん」 よく理解できないまま、言われた通りゆっくりドアを開ける。 アプサラスは、ドアから離れたベッドの上に座っていた。 「アプサラス……」 部屋が熱気で覆われているような気がする。 サリエルに変な話を聞いたせいで意識しすぎているだけかもしれないけれど、なんだか妙な匂いもした。 セックスを連想させるような匂いだ。 アプサラスが、1人でしていたのかもしれない。 そんな場所に立ち入ってしまったのかと思うとなんだか気まずい。 「実は体が……ずっと治まらなくて。でも原因はわかってるから、平気だよ」 「サリエルから、ちょっと聞いた。ボティスの卵を食べたんじゃないかって」 「うん……そうなんだ。ちょっと調子に乗って、食べすぎちゃったかも。だからいま、ゼルクに近づかれたら、理性が働かないかもしれない」 サリエルの言う通り、いまなら襲ってもらえる。 別に襲われたいわけじゃなくて、普通でいいんだけど。 いまのアプサラスは、普通には出来ないんだと思う。 俺を気遣って離れてくれているんだろうけど、俺はアプサラスに近づきたい。 だいたいアプサラスが発情しているなんて考えるだけで、俺だって興奮してしまう。 優しいだけじゃない、強引なアプサラスだって気になる。 「アプサラス……その、俺……手伝おうか」 「…………駄目だよ。僕は君に嫌われたくはない。君に触れて欲望が抑えられなくなるのが怖いんだ」 アプサラスはどう思っているのかわからないけれど、なんだか煽られているように感じた。 「……大丈夫」 そうとだけ告げて、アプサラスへと近づいていく。 すると、アプサラスは俺の手を取って指を絡めてきた。 「本当に……どうしようもなくまずいんだ。こうして指を絡めるだけで、すごく高ぶってきちゃうし」 「それは……俺だって……」 「本当?」 今度は俺の手に軽くキスをしたかと思うと、指先を口に含まれる。 いつものアプサラスならたぶんしない。 色っぽい……というかエロい。 ピチャピチャといやらしい音をたてながら、舌が指を舐め回していく。 「ん……」 ついアプサラスの下半身に視線を落とすと、ズボンの下でガチガチになっているのがわかった。 「ぁ……アプサラス……」 俺は別に卵を食べたわけでもないのに、アプサラスの舌使いと勃起している体を見ているだけで、体が熱くなってしまう。 このまま襲ってくれて構わないけれど、そんな風には言えそうもない。 そもそも俺は手伝うって言っただけだし。 それなら、まずは手でしてあげればいいんだろうか。 わからないまま、ベッドに腰掛けるアプサラスの前に座り込む。 すると、アプサラスは俺の手を掴んでいない方の手で、ズボンのチャックをおろした。 目の前に取り出された性器をついまじまじと見てしまう。 こういうときどうすればいいんだろう。 見上げると、アプサラスは俺から手を放して、熱っぽく吐息をもらした。 「はぁ……ゼルクの指を舐めただけなのに……」 「……と、とりあえず触ろう……か」 「うん……」 唾液でベトベトに濡れた右手で、アプサラスのものをそっと掴む。 俺のより大きくてめちゃくちゃ熱い。 少し擦ってみると、さらに質量が増していく。 「ん……ゼルク……すごくきもちいい……」 アプサラスは本当に気持ちよさそうにわずかだけれど腰を揺らしていた。 まるで俺の手に擦りつけているみたいで、少しくすぐったい。 俺がしているのに、なんだかされているみたいに感じる。 髪や頬を撫でられ、少し上を向かされたかと思うと、アプサラスの親指が俺の口の中に入り込んできた。 「んむっ……ん……」 「はぁ……ごめんね、ゼルク……。ゼルクの舌、撫でていい?」 「ん……んん」 頷くと、アプサラスの親指が俺の舌の上を撫でていく。 「んぁっ……ん……」 くすぐったい……とは違う。 自分でも、舌で感じていることくらい理解できた。 なんだか恥ずかしいけれど、アプサラスはやめてはくれなくて、次第に溜まった唾液がアプサラスの指を濡らす。 性器を擦り続ける俺の手の動きに合わせて、アプサラスの指が何度も抜き差しされた。 アプサラスはなにも言わないけれど、口でして欲しいってことなのかもしれない。 もちろん、そんなこといままでしたことはない。 でもアプサラスがして欲しいのならいやじゃない。 自分がされたら絶対に気持ちがいいし、アプサラスだって嫌がりはしないと思う。 「あ……アプサラ、ス……ん、俺……する……から……」 「え……?」 アプサラスの指を口から外すと、目の前の性器に舌先を伸ばす。 「無理しないで」 「ん……」 こんなこと自分からするなんて、変なやつだって思われるかもしれない。 でもきっとアプサラスだってして欲しいと思ってくれているはずだから。 俺は震える舌先で、アプサラスのモノをペロリとひと舐めしてみた。 「ごめん、ゼルク……我慢出来ない……」 少し切羽詰まったようにそう言うと、アプサラスの両手が俺の頭を掴む。 すると口の中に、ずるりと亀頭が入り込んできた。 「んっ! んぅっ……!」 少し息苦しくて、涙目になる。 でもそれ以上に、俺がしようとしていたことはやっぱりアプサラスも求めてくれていたんだとわかって、ちょっと嬉しくもなった。 さっきまで指で撫でられていた舌を、今度はアプサラスのモノが擦っていく。 「んっ……んっ……んん……っ!」 口でするのなんて、される側が気持ちいいだけだと思っていたのに、舌を撫でられたり頬の内側を突かれるたび、体がゾクゾク震え上がってしまう。 「ああ……ゼルク……もしかして感じてるの?」 アプサラスはオレの頭を片手で支えながら、もう片方の手でいつしか出してしまった翼を撫でる。 「んぅんっ! んっ!」 「かわいいよ……すごくかわいい……」 翼を撫でられるのなんて久しぶりで、気持ちよすぎて我慢が出来なくて、俺も自分のモノをズボンから取り出す。 恥ずかしいだとか、考えている余裕はなかった。 アプサラスのを口で咥えながら、自分のを手で擦りあげていく。 「んっ……んぅ……んぁっ……あっ……!」 アプサラスも、さっきから腰を動かして俺の口を犯していく。 「はぁ……ゼルク……出ちゃいそう……」 「んっ……ぅん……ん」 コクコク頷いた直後、俺の頭を掴むアプサラスの指先に力が入るのがわかった。 びくびくとアプサラスの性器が跳ねて、口の中へと精液が吐き出される。 「んぅんんんっ!」 思わず、アプサラスのものに少し歯を立ててしまう。 それでもアプサラスは気にすることなく、最後まで出し切るように数回腰を揺らした後、やっと引き抜いてくれた。 粘度が高くて飲み込めなかった精液が、口からこぼれる。 「はぁ……はぁ……」 「ごめんね、ゼルク。全部吐き出して」 アプサラスは出してしまったものを拭い取るみたいに、俺の口の中に入れた人差し指と中指で舌を挟み込む。 「んんっ、んっ……」 「朝から何回か出したけど……まだなかなか治まりそうにないんだ……」 そう言いながら指を引き抜くと、今度は突然、俺の体を押し倒す。 「っ……」 「ゼルクが手伝ってくれてすごく嬉しいよ。ゆっくり抜いて欲しいって思えたらよかったんだけど……ごめん……いますぐゼルクの中に入れたい」 そういうことを、入れる前にちゃんと言ってくれるアプサラスは、やっぱりアプサラスだけど、息が上がっていて、ものすごく我慢しているというのが伝わってきた。 大丈夫だと伝える前に、アプサラスが俺のズボンと下着を乱暴に剥ぎ取っていく。 「あ……」 相手はアプサラスだし、事情は理解しているし、最悪、痛覚を鈍らせる魔法だって心得てる。 それでも、俺がなにも言わないうちから強引に足を開かされて、さすがに心の準備が出来ていない。 「あ……俺……っ」 「ゼルクのその不安そうな顔も、今の僕には興奮材料に過ぎないんだ。ひどいよね」 ひどくないと首を横に振るけれど、このままいきなり入れられるとなると、不安は拭えない。 「アプ……サラス……濡らさないと……前にしたときから、使ってないから……その……」 「1人でするときは、こっちは使ってないの?」 アプサラスの指先が、窄まった秘所をくすぐる。 「はぁ……あ……使って、な……」 「そう……それなのにすごいヒクヒクしてる……覚えててくれてるのかな」 少しは慣らしてくれるんだろうか。 身動き出来ないままでいると、アプサラスはベッドの上に投げ出されていた卵をひとつ手に取る。 「一緒に使おうか」 どう使うのか、頭が働かない。 「ゼルク、膝の裏に手回して……そう、抱えてくれる?」 アプサラスに腰を持ち上げられ、言われるがまま、両方の足を抱え込む。 すごく恥ずかしい恰好だけれど、これ以上アプサラスを待たせてはいけない気がしてしまう。 足の間からアプサラスを覗くと、いつの間にか割れた卵を半分持ったまま、尻の穴を撫でていた。 「あ……」 なんとなくアプサラスのやろうとしていることを察知する。 「待っ……あっ……それっ……」 「はぁ……濡らそう、ね」 強引に2本の指が少しだけ入り込んだかと思うと、左右に開かれてしまう。 「んんっ……あ……」 ダメだと言っていいものかわからない。 いや、ここはたぶん言うべきだ。 いやなことはいやだって言わないと、アプサラスは本当に理解していない。 話せばわかるはずだから、ちゃんと話して、理解してもらって。 ……なんて考えている場合じゃない。 「ゼルクと僕が繋がるためにボティスの卵を使うなんて……すごく素敵だね」 卵のせいか、すでに理性はぶっ飛んでいるようだ。 アプサラスはうっとり呟くと、左右に開いた指の間から、卵の中身を流し込んでいく。 「んんんっ、んっ! あっ、あっ!」 「これで中までたっぷり濡らせるよ」 アプサラスは上から俺のナカを覗き込みながら、2本の指でぐちゃぐちゃと掻き回す。 「ひぅっ、あっ……ひゃあっ……ん! あっ……あっ、んぅ、やぁっ……んんんんっ!!」 少し掻き回されただけなのに、俺も溜まっていたのかすぐに射精してしまっていた。 「ん……気持ちよかった? 食べるよりもこっちから入れた方が熱くなっちゃうのかな」 これはアプサラスが食べて発情した卵だ。 俺の体も、おかしくなってしまったのかもしれない。 「はぁっ……あっ……あっ、俺っ……」 「大丈夫……1つだけだから……ね。僕はつい何個も食べちゃったけど……ああ、このまま君と繋がったら、僕も尿道からさらに摂取しちゃうのかな……」 それは困っているというよりはどこか期待しているかのように聞こえた。 抱えたままでいた足から手を放す。 腰をおろすと、すぐさま引き抜かれた指の代わりにアプサラスのモノが押し当てられた。 「零れないように、すぐに塞いであげるね」 指なんかよりずっと大きくて熱い肉棒が、窄まった箇所を押し広げながら入り込んでくる。 「あっ……ん、んぅんんんっ!」 いくら濡れているとはいえ、久しぶり過ぎるその物量に体が強張ってしまう。 それでも切れたりだとか、痛みを伴うことはなかった。 ただ息苦しくてまだ慣れない。 いつものアプサラスなら気を使ってくれそうだけれど、今日は容赦なく腰をスライドさせて、出入りを繰り返す。 「あっ……あっ……ん、んぅっ! アプサラスっ……あっ……ぬるぬる、してる……っ!」 「うん……こんな風にゼルクとボティスを一緒に感じられることが出来るなんて……はぁ……たくさん、塗りこもうか」 抜き差ししながら腰を回されて、言葉通り肉壁に粘度のある卵を塗りつけられていく。 アプサラスの硬いのが、ときどきものすごく感じる箇所をかすめた。 「ひぁっ! あんっ……んっ……あっ……ああっ!」 「ん……ここ、気持ちよかった……?」 「はぁっ……あっ、うん……っ、きもち、い……あっ……あっ! あぁんっ! そこぉっ!」 今度は、さっき射精したときとは違う別の快感が押し寄せてくる。 馴染みはないけれど、知らないわけじゃない。 前にしたときにも味わった。 これがナカでイクことなのだと、頭では理解していた。 それでも、体はまだうまく受け入れられないのか、突かれるたび過剰にびくびく跳ね上がる。 「んぅんんっ! あっ、あっ、いくっ……あんんっ……いっちゃ……ああっ……あっ!」 「さっきイったばかりなのに……僕より発情してるみたい……」 「はぁっ、んっ……んっ……あっ、あっ……あぁああああっ!!」 ひときわ大きく体が跳ねあがる。 アプサラスと繋がりあっている部分が、ドクドクと脈打つのが自分でも分かった。 射精を伴わずに迎えた絶頂は、俺の頭を溶かしていく。 「あっ、あんっ……なかっ……きもちぃ……アプサラス……ぁんっ、いい、よぉ……」 俺がイってもアプサラスは全然、腰の動きを緩めてはくれなかった。 俺はがくがくと腰を震わせたまま、アプサラスを受け入れ続ける。 「すごい……ゼルクの中、ビクビク痙攣してるのかな……はぁ……気持ちよすぎて……あ……いき、そ……」 ぐちゃぐちゃと粘液の音をたてながら、何度も何度も腰を打ちつけられていく。 そのたびに俺は体を跳ねさせて、すぐにまた達しそうなほどの快感を覚えた。 「もしかして……またイキそう……? ねぇ、一緒にイッてくれる?」 「んんっ……んっ……はぁっ、あっ……いくっ……いく、アプサラスっ……あんっ! 俺っ……あっ、あっ!」 「いいよ……いこう」 スパートをかけるかのようにアプサラスが激しい律動で攻め立てる。 「あぁんっ! あっ……いいっ……ひぁあっ……あっ、あっ、ああああああっ!!」 俺が絶頂を迎えると同時に、中にたくさんアプサラスの出したものが流れ込んできた。 「んんー……あっ……あん……はいって、る……」 「うん……ん……たくさん、出ちゃってる……はぁ……すごい、ね……ゼルクの中で、ボティスの卵子と僕の精子が混ざり合うなんて……夢みたい……」 アプサラスがあまりにも夢見心地で呟くもんだから、ついボティスに嫉妬してしまう。 ボティスは大事なアプサラスの使い魔だから、嫉妬なんてしても仕方ないのに。 「俺も……混ざりたい……アプサラスと……」 「そうだね……じゃあゼルクが出した精液もここに入れようか。それとも先端を突き合わせて、尿道から僕の精液を送り込めばいいのかな」 ボティスの卵を摂取してしまったせいか、普段の自分なら冷静に、それは違うと心の中で突っ込んでいたはずなのに、いまはなぜだか、妙に体が熱くなってしまう。 「はぁ……アプサラス……」 体を起こしながら、アプサラスにしがみつく。 「とりあえず……このまま……あっ……抜かないで……もういっかい……ああっ」 「うん……僕もそう思ってた」 今日が終わるころにはきっと、疲れ果てて正気を取り戻すだろう。 乱れ過ぎたと、頭を抱えることになるかもしれない。 たとえそれが予測できたとしても、今は抑えられそうにない。 たまには……1年に1回くらいなら……卵で我を忘れてみるのも、悪くないんじゃないかと、そう思うのだった。 |