■サリエル×アプサラス■
※「Angelsyndrome」or「angelsyndromezero」未プレイですと解りにくい表現が含まれております。 ※ボティス=蛇のような形状の魔物 僕の宝物。 ピンク色で丸くてかわいらしくて。 僕の大好きなボティスが創り出した卵。 「まーた持ち歩いてんのか、それ」 放課後、教室で眺めているとサリエルが声をかけてくれる。 「これはとくに球体に近くて……ほら!」 「あー、違いとかよくわかんねぇから。つーか落として割るなよ」 「落としたくらいじゃ割れないよ。ボティスの卵は」 「はいはい」 ボティスもこの卵も、僕は大好きでたまらない。 けれど、どうしてもひとつ引っ掛かっていることがあった。 「……ねぇ、サリエル。ボティスはこの卵、僕には産みつけてくれないんだ」 「……産み付けられてぇのか?」 「だって、僕以外の子は味わってるんだよ?」 人型になったボティスは、たまに生殖器のような部分から相手の体内へと卵を産み付ける。 「僕に産み付けないのは……たぶん、ボティスが僕のことをマスターだって……繁殖相手じゃないって認識しているからなんだけど」 「自己解決してんじゃねぇか」 「理解は出来るよ。でも……少し寂しいんだ」 「それで……どうしたい?」 「……僕はどうすれば、寂しくなくなるんだろうね」 ボティスが他の人と僕を区別してくれるのはすごく嬉しかった。 僕だけ特別。 特別だけれど、僕は誰よりもボティスのことを知っていたい。 「どうしたら、ボティスは僕の中で卵を産んでくれるんだろう」 そうサリエルに問うが、サリエルは少し引きつった笑みを僕に向けるだけ。 「サリエルでもわからないの?」 「……王子とやってる最中、産卵を促すような刺激をボティスに与えりゃいいんだろうけど」 「出来るの? サリエル!」 「出来そうだな。けど、それやっちまったらもうお前、ただの繁殖相手だぞ」 「……一回だけなら……」 「どうだろうな。その一回でボティスの王子に対する認識が変わっちまうかもしれない」 僕はボティスのマスターだ。 ボティスは僕の使い魔。 その関係は崩したくはない。 「……とても大きなリスクだね」 「それに、無理やり産卵させるっつーのも、王子の主義に反しそうだけど?」 ああ、そうだ。 望まない産卵を無理矢理ボティスにさせたくはない。 「……残念だな」 やっぱり、寂しいまま。 そう思っていると、サリエルは僕の手からひょいっと卵を奪い取る。 「……サリエル?」 「入れてやろうか?」 「え……」 「こいつは、ボティスが誰かに産み付けた卵か? それとも勝手にどこかで産んでたもんか?」 「それは勝手に産んでたやつだよ」 「こうして大事に取ってるだけじゃなく使えばいいだろ。ああ、もしかしてもう使ってる?」 「使うって……」 「だから、自分で入れたことあんのかって話」 この卵を、直接自分で? 「そ、そんなの無いよ! だいたい入るかどうかもわからないし」 「は? 産み付けられたいとか言ってたやつがなに言ってんだ?」 「だって……そうなんだけど……」 ボティスの生殖器から押し出されるものを体内で受け止めるのと、外から卵を入れるのとではだいぶイメージが違う。 「……難しいよ。卵を入れるなんて」 「最近、刺激的なことなーんもなくてつまんなかったんだよなぁ。たまには王子で遊ぶか」 「遊ぶだなんて、やめてよ」 「いや、やめないね。どうせ一人じゃ上手く入れれねぇだろ。たっぷり慣らして広げてやるよ。取り出すのも手伝ってやる」 「いらない……。君にされるくらいなら自分で入れて、自分で出した方がいいんじゃないかな」 「あーあー。やる気はあんのね。さすが変態王子」 「変態じゃないよ……。まったくいつも君はそうやって人を変態扱いして……」 「下手な傷、作りたくねぇだろ。せっかくボティスの卵入れるってのに痛い思いしてたらもったいねぇし?」 サリエルの言うことも一理あった。 サリエルは天才で、とくに体の構造や治癒に関しての知識が深い。 この人に任せておけば、体が壊れるなどという心配はなかった。 例えば僕が、この卵を受け入れるのに痛みを伴うとして。 その痛みを魔法で麻痺させたとしても、そっちに集中してしまえばせっかくの卵を上手く感じることが出来なくなってしまうかもしれない。 どうせなら、ボティスの卵を精一杯感じたい。 「……サリエルは? それでいいの?」 「いいぜ。楽しそうだしな」 「…………じゃあ」 なんだか流されているような気もするけれど、僕たちは部屋へと向かった。 「ただいま、ボティス」 僕が扉を開けるとすぐさまボティスはシュルシュルと床を這い僕の足元へと来てくれる。 「あいかわらず気持ち悪いな」 「なんで君はそういうこと言うのかな。ボティスが傷つくよ」 「はいはい。かわいいかわいい。いいからとっととズボン脱ぎな」 「……そんないきなり脱げって言われても」 別にムードが欲しいわけじゃないが、少し抵抗がある。 すると、サリエルは僕の腕を引いて体を後ろから抱き寄せた。 「な……」 「んー、じれったいから俺が脱がしてやる」 「……切らないよね」 サリエルには変な趣味がある。 人の体を切って血を見て楽しむ趣味だ。 僕にはまったく理解が出来ない。 切断まではいかずとも、何度か切られたことがある。 治せる程度の傷だが、あれは苦手だ。 「いいなら切るけど?」 「嫌だよ。君が切るというのなら僕はその傷を治さなければいけなくなる。そうなると今、わざわざ君に卵を入れてもらう意味もなくなるからね」 「っつーか、俺が王子に卵いれたいみたいになってねぇか?」 「そうじゃない。僕が頼んでる方だってのは重々承知してるよ。痛くしないでくれるんだろう?」 「ああ。任せとけ。王子は卵のことだけ考えてりゃいいよ」 サリエルは僕のベルトを外し、ズボンを引きずり降ろしてしまう。 露わになった足へとボティスが体を巻き付けて来た。 甘えている証拠だ。 「ボティス……今日はボティスの卵を味わうんだ。僕の体内で。楽しみだよ」 「……なぁ王子。俺以外にこういうこと頼むなよ」 「なんでそんなこと……」 「よっぽど許容範囲広いやつじゃなきゃ、変態扱いされて苛められるぜ」 「君はいつも僕を変態だと言うね。君がそうやって僕のことを苛めるのは、僕が嫌いだからなのかな」 「嫌いじゃねぇよ。嫌いなやつにいちいち卵とか突っ込むかって」 「だったら……」 「いいだろ。俺が変態だと思うやつを変態だと言ってなにが悪い」 「悪いよ。僕だって傷付くんだ」 「俺はそういう変態くさいアプサラスが好きなんだから、いいだろ」 好き……? 思いがけない言葉を発せられ、サリエルの腕の中で振り返った。 「サリエル……?」 「いいから、とっとと寝ろ」 僕の体を抱えベッドの上へと寝かせてくれる。 仰向けになる僕の足元、サリエルはスルリと下着を抜き取っていく。 「お前は自覚のない変態だ。けど俺は解ってる。お前が変態だってわかったうえでこうして友達やってんだよ」 「友達だなんて……思ってくれてたの?」 「ひでぇな。じゃあ王子は俺のことどう思ってたんだ?」 「僕は……」 他のクラスメートとは違い、少しだけ自分のことを多く見せているかもしれない。 話す機会も多い。 ……ああ、友達ってことか。 「君は、変な人だから……よくわからないよ」 「俺は自覚あんだよ。自分が変なやつだってな。他人には理解されにくい嗜好の持ち主だって解ってる。 中身は違ぇが王子と一緒の環境だろ」 「一緒? 全然違うよ。僕は別に他人に理解されない嗜好を持っているつもりはない」 「あのなぁ。魔物の卵入れたいなんて性癖持ってて普通だとでも思ってんのか」 「使い魔はかわいいものだよ。確かに天使が使い魔を扱うのは普通じゃないかもしれない。けれどこの学園なら普通だよ。 ……少数派だろうなとは思っているけれど。それでも理解されないほどじゃない」 「あー、そう。だったら俺の嗜好もだ。理解されないほどじゃねぇな。血を好むやつは他にもいる」 僕には理解出来ないけれど、確かに血を好む天使がサリエル以外いないとは限らない。 ……けれどそれはきっと少数。 少数派の嗜好を持つ僕たちは一緒なのだろうか。 多数派から隔離された存在? 「お互いの嗜好を理解し合えない者同士が一緒って、おかしな話だよ」 「お互い孤立してんだ。孤立してるもん同士、仲良くすりゃいいんじゃねぇの?」 そうなにやら結論付けると、サリエルは僕の左の太ももを撫であげる。 ボティスと違い、その手付きはなんだか柔らかい。 「ん……入った後……取り出せなくなるってこともあるのかな」 「あるかもな。外からは手で押し込められるが、出すときはそうもいかねぇ」 「どうすればいいの?」 「……拡張して、手突っ込むか?」 「そうか……。それが妥当だね」 「まったくてめぇは調子狂う反応しやがるな。まあいい。そろそろそれなりに雰囲気出せよ?」 サリエルの手が足の付け根へとせり上がり、性器を掴み上げる。 「んっ……なんで、そんなとこ……っ」 「だから楽しませろって」 彼に頼んだのはもしかしたら間違いだったかもしれない。 そう頭に浮かぶがもう遅いだろう。 軽く上下にしごかれるとそれだけで体の熱が上がっていく。 ボティスに絡みつかれたり、自分でしたことはあるがサリエルの手は全然違った感触で頭がぼんやりしてしまう。 「あっ……ん……」 「悦くなってきた?」 「はぁ……も、いいから早く……」 「とっとと突っ込んで終わりたいとかつまんねぇこと要求してんじゃねぇよ。 王子って、いつもココ、ボティスに舐めさせてんの?」 「ん……ボティスは、精液が好き……だから」 「ホントかよ。案外、王子のこと気持ちよくさせようとしてるんだったりして」 「え……」 ボティスのことはなんでもわかってるつもりだ。 いつも尿道に舌を差し込み舐めあげるのは、精液を欲しているもんだと思っていた。 それがもし、僕を気持ちよくさせるためだったなら……。 「ボティス……」 愛おしくてたまらず、足に絡みついているボティスの頭をそっと撫でる。 ボティスは、サリエルがそっと撫でていた亀頭部分へと顔を寄せ、細い舌先をチロチロとそこに這わす。 「ぁ……んっんっ」 「蛇と3Pする気はねぇんだけどな」 「はぁ……蛇じゃな……」 「はいはい。まあいい。王子、足あげろ」 「ん……」 サリエルに言われるがまま、僕はそっと膝を立てる。 サリエルは僕の目の前で自分の指先に舌を這わすと、露わになっている僕の奥まった箇所をその指先で撫でていく。 これから、ボティスの卵を受け入れる場所だ。 「ああ、ヒクついてやがる。わりとヤってんのか?」 「そんなにしてないよ。ボティスの体をたまに入れるくらいで……」 「体って、このままか?」 「ん……尻尾の方から……」 「とことん変態だな。背徳感もなくそんなプレイしてたら変態プレイの良さが半減するってもんだろ」 「なにわけのわからないことを……」 「……俺が教えてやるよ」 言葉の意味が理解出来ずサリエルに確認しようと思うも、その前にサリエルの指先が入り込んでくる。 「んんっ! ……あ……ん、ほぐ、せる?」 「ああ……いけそうだ。けどそれだけじゃつまんねぇよ」 そう言うと、サリエルは中をゆっくりと探っていく。 「んっ……あ、あんまり動かさな……」 「お前さ。治療でも診察でもねぇんだよ。もうちょっと集中しろ」 「なに……」 「だから……。王子は今、俺とエロいことしてんだぜ?」 「っ……してないよ」 サリエルは俺へと顔を寄せ、目の前でペロリと舌なめずりをする。 なんだか少し色っぽい。 「ちゃんと感じさせてやる」 まるで囁くようそう呟くと、探っていた指先で内壁の一部をぐっと押さえつけた。 「ひぁっ……!」 反射的に出てしまったいつもとは違うトーンの声に、顔がかぁっと熱くなる。 抑えようと頭を働かせている隙にもサリエルの指はまるで俺を追い立てるようソコをぐにぐにと撫でていく。 「ぅあっ……ん、そこ……っ」 「あー、顔真っ赤になってんぞ。王子でも照れるんだな」 「ゃめ……っぅンっ!」 指摘されると余計に恥ずかしくなってくる。 恋人でもない相手に指を入れられるくらいなんでもない行為だと思うのに、体の奥の方が疼いて熱くて、息が上がって来る。 こんなのはただの治療や診察みたいなもんなのに。 「はしたないな、王子……」 はしたない……そうだ、僕ははしたないんだ。 そう自覚すると、サリエルの視線が痛くて顔を背ける。 「ち……違う……っ」 口で否定するが、サリエルが指を蠢かすたびに体がビクビクと跳ね上がってしまう。 「ゃっあっ……あっ」 「んー……だいぶイイ声になってきたな。ホントにずっと感じなかったらどうしようかと思ったぜ」 「違っ……あっんっ」 「感じてないって?」 僕は横を向いたまま小さく頷く。 サリエルがどんな顔をしているのかはよくわからなかったけれども、きっとしたり顔で僕を見下ろしているはずだ。 少し悔しい気持ちを抱えたまま、僕はベッドのシーツをぎゅっと握る。 なんとか体を落ち着かせようと思うのに、サリエルは僕の体を休めさせてはくれない。 「あっ……んぅ……ぁっぁあっ」 「見てみろよ、王子。すっげぇ溢れて来てるぜ?」 ぬるりと亀頭に這う指の感触に目を向けると、確かに先走りの液がたくさん溢れてきていた。 「……これ……はっ」 「言い訳? いいからとっとと落ちろよ」 落ちる……? こんなにもぼんやりしてしまう頭ではなにかを考えることなど不可能のように感じる。 いまだ蠢くサリエルの指に合わせるよう自分の体内がヒクヒクと震え、なんだか耐えがたいような感覚に陥ってしまう。 「ぁっあっ……ん、サリエっ……あ、んっ! あっ……あぁあっ」 「そうそう……そうやって素直に声出しときな」 「ひぁっあっ……ゃあっ……やっ……なんかっ……あっあっ」 「クる?」 そっと頭を撫でられわけも分からず僕はコクリと頷く。 「ふっ……そのまま解放しろ」 「サリエル……っあっ……ん、ぁあっあっ! あぁああっ!!」 僕が体を大きく震わせ吐精してしまうと、すかさずお腹にかかったその液をボティスの舌先が舐めあげる。 「はぁっ……あ……っ」 「くたばんなよ? 入れるぜ?」 入れる……。 サリエルは指を引き抜くと、僕の目の前に小さめのボティスの卵を見せつけれた。 けれども、涙で少しだけぼやけてしまう。 「あ……」 サリエルはボティスが舐めきれていない僕のお腹の精液をその卵で拭う。 ボティスの卵に僕の精液が絡みついていると思うだけで、背筋がゾクゾクと震え上がる。 「あ……サリエル……これって、その……体外受精ってやつかな……」 「結構湧き上ってんな、お前の頭」 「湧き上ってる……?」 「……まあいいけど。あながち否定も出来ねぇし。王子、何度も卵に精液ぶっかけてんだろ」 「そうだけど……そんなに、変な意識はしてなくて……」 「なんの意識もなくやってる方が怖ぇよ」 サリエルはさっきまで指が入り込んでいた場所へとゆっくり卵を押し込んでいく。 「あっ……ぁあっ」 「俺の指よりやらしい声出してんじゃねぇぞ、変態」 サリエルのからかう声が遠くで聞こえるけれども、うまく理解出来ず、ただ与えられる刺激に身を委ねる。 僕の精液を纏ったボティスの卵が、僕の中に入り込んでくる。 もしもこの行為で新しい生命が誕生したらと思うと、僕は動悸が押さえられない。 「ああ、全部入りそうだ……ゆっくり締め付けろ」 「はぁっ……あ、ぅん……っ」 僕は頷き、そっとソコを締め付けると、ズルリと卵が全部埋まってしまう。 「あっ……はぁっあっ」 「もっと奥、入れるか?」 サリエルの指が、ぐいぐいとさらに卵を奥の方へと押し込んでいく。 「あっ……あ、ん。サリエル……すごいよ……これっ」 「……っとに王子はぶれねぇな」 「ぶれ……ないって?」 「こっちの話」 奥の方まで卵が入り込み一息つくと、サリエルは僕の腕を取りそっと体を起こしてくれた。 「……どんな感じだ?」 「ん……違和感はあるけど、少ししたら慣れちゃいそうだ……」 「で? 自分で押し出すか?」 「……まだ、もうしばらくは堪能しようと思うよ……」 そう呟くと、まるでボティスは理解したよう僕のお腹に絡みつく。 「ボティス……ボティスの卵が入ってるんだよ。僕のお腹に。あ、これってもしかして、僕のこと繁殖相手だって思っちゃうかな」 「いや、思ってたら途中で乱入してきただろ。見守ってたってことは違うって認識出来てるだろうよ」 「そっか。そうだね」 「……さっきも言ったけど。俺以外にこういうこと頼むなよ」 「そればっかりだね、君は」 「俺は一応、王子が嫌われねぇよう気を使ってんだぜ?」 「よく意味がわからないよ。なんで嫌われるのかな」 サリエルは僕の隣で大きくため息を吐く。 「とにかく……だ。お前がボティスのこと大好きなのは解るが、魔物を好きな天使は少数派だってちゃんと自覚しとけ」 「……解ってるよ、ある程度は。それに……」 僕だって、誰にでもこんなことを頼むつもりはない。 僕と同じように使い魔を持っていて、治癒魔法の知識にも深くて、ある程度信用出来る相手だから頼んだのだ。 「サリエルなら、いいと思ったから……」 「……これだから王子は」 サリエルは少し雑に僕の頭をくしゃりと撫でる。 なんだか温かい。 「僕がボティスの子を身ごもる手伝いをサリエルがしてくれたみたいだね」 「王子が言うと冗談に聞こえねぇよ」 「……わかってるよ。本当には生まれないことくらい……。わかってるんだけどね……」 「ま、可能性はゼロではねぇよ」 サリエルはそう言ってくれるけれども、ただ僕たちが知らないってだけ。 解らないからゼロだとは言いきれないだけで、その可能性はゼロに近くて、きっと生まれては来ない。 「やらねぇうちから否定してちゃ、なんも生まれねぇだろ」 「うん……ありがとう」 サリエルは僕のお腹をそっと撫でてくれた。 |